《第43号》●希望の法則43 さらに川嶋朗医師の新刊から――「QOD(死の質)について考える」

東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長・川嶋朗医師の
新刊「見えない力で健康になる」について、
もう少し、僕なりの感想を述べましょう。

「医者には、あなたの病気を治すことはできません」
という意外なフレーズで始まる本書の結論といいますか、
人生の考え方が最後の第6章「魂の浄化」で健康になる――という個所にあります。
≪病気は必ずしも悪ではない≫
≪病気は自分の間違いを正し、
自分の魂を高いレベルに近づけるチャンスだ≫
さすれば≪病気は悪でなくなり、
自分を充実させるためのありがたいきっかけとなる≫
自らの足の血管腫と突発性難聴の体験を踏まえながらの話ですから、
なかなか説得力があります。

さらに本書の圧巻は、
患者が持ったら気楽になる、先生らしい死生観が
紹介されているところでしょう。
自らが医学生を志す時に、母親を亡された
先生の懐古談を交えつつ、
たんたんとメッセージされています。

≪病気は、あるときは早く自分を正しなさいというメッセージであり、
あるときはそろそろ次の世界へ行く時間だから
準備しなさいというメッセージでもあるのです≫と。

そして、「自分の力で病気を治すヒケツ」として、
以下のように結論しています。
≪QOD(Quality of Death 死の質)を考えれば、
QOL(Quality of Life生命の質)も上がる≫と。
つまり、ただ、人生を漠然と長生きしたいというのではなく、
「自分は社会や地球に対して何が出来るか」という
生きる意味をしっかりつかんで、死を考えておく――、
≪○○歳まで生きる、と人生のエンドポイントを決めておけば
(略)QOL(Quality of Life)が上がり、人生の満足度も上がる≫という考え方です。

僕自身、偉そうな話はできませんが、この12年間、
なんども、治療の選択、人生の選択に悩み、
死の恐怖に直面しつつ、なんとかじくじくと過ごしてまいりました。

こうした川嶋先生の死生観はもちろん、
まえにも紹介しましたが、帯津良一先生の
≪(誰にでもある寿命の)持ち点を使い切った自分、
つまり、死を基準とした自分がある。
そして、その死を立脚とした自分を目標にして生きてゆく≫
≪「思い切り、あなたの≪寿命の持ち点」を使おう!≫
―― という、とても積極的な死生観に支えられ、
勇気づけられてきたことは確かです。

詳しくは、ぜひ本書を読んでほしいのですが、
人間には寿命があり、「幸福に人生を全う」できれば、
これぞ「人生最高の考え方」である
ということがジーンとわかって、とても勇気づけられるはずです。

さて、患者にとって「生きるか死ぬか」は、
ほんとうに深刻な問題ですが、
僕自身、「ガンを切らずに12年」の幸運を頂いたものの、
絶えずガンの再発・転移について恐怖を抱いてきたことも確かです。

さらに、70歳を過ぎて、ガンのみならず、椎間板ヘルニア、
頸椎ヘルニアなどの持病による老化現象も甚だしくなり、
以前より、我が死生観――、自らの「死」について身にしみて
しみじみと考えるようになりました。

ま、僕も、川嶋先生や帯津先生の積極的な死生観というものは
頭では理解しているつもりですが、人間って、ほんとうにだらしのない
生き物であることも確かです。

うまく、与えられた寿命を書き換えることが出来ないかなあ――
ついつい、なんとしても楽な生き方を探り求めている――、
そんな自分に気がつくことがあります。

前に、僕の日刊コラムで、
「不老長生の仙人を求めた、中国の道教」に興味を持ち、
そのパワフルな死生観について書いたことがあります。
もちろん、200歳、500歳も生きる仙人になどなれるわけはなく、
その結論が「半仙人のように生きたいなあ」という養生人生観でしたが、
死生観についてもちょっと道教からヒントがもらえて
気が楽になったことを覚えています。

道教の仙人観って、生きる人間にとても都合よく出来ているところあって、
これも前に書いたことがありますが、
人間の体内には、「三尸(さんし)の虫」が巣食っており、
死を司どる天帝に、その人の悪事を報告して
「寿命」を書き変えさせてしまう――、だから、
長生秘薬や養生法でこの「虫」を退治するのが、仙人道の近道だというわけです。

なんとなく、ほほえましい、人間臭い死生観であり、エピソードだと思いませんか?
僕は、高僧や賢人のように、高尚な死生観に、どうしてもついていけない時、
この「三尸の虫」を手名付けてやれば、
なんとかまた「幸福の道」が開けるだろう――、
そんな浅知恵を思いめぐらして、ふふふっと笑ったりするようになりました。

もちろん、寿命を延ばすどころか、したたかな「三尸の虫」の反撃にあって、
こちらの寿命を縮められてしまうのが「オチ」かもしれませんが、
そのときが、この世の僕の役割も終わり――天命とでも考えればいいかな?
そんな風に気楽に考える年格好となりました。
あまり深刻に「死」を考えなくてよくなったことだけは有難いことでした。

さ、あなたも、自らの死生観を問われたことが
何度も会ったはずです。
そのとき、あなたは、どう考え、どう対処できたでしょうか?

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