A.中医学では、病気になってしまってから慌てて治療するのではなく、普段から病気にならないように予防することが大切だと考えられていて、病気にかかりにくい体質に改善させるのを得意としているのは、漢方です。
西洋医学は身体の不調を起こしている箇所に直接作用して、ピンポイントで治療するのに対し、中医学では自然の素材の漢方などで、身体の自然治癒力を高めて、不調を改善、健康を維持するという方法を用いるため、西洋医学の治療に比べて、即効性はない場合もありますが、根本的に病気になりにくい体質に改善していくので、病気予防になるという強みがあります。
また、漢方は西洋医薬より副作用が少ないことも、近年注目されるようになりました。
さらに、目まぐるしい現代社会には多くのストレス要因があります。
ストレスによる体調不良の緩和について、中医学では人間の身体の構成要素と働きを肝・心・脾・肺・腎という五臓に分けています。その肝については、西洋医学で考える働きだけではなく、身体に重要な気、血をスムーズに巡らせる働きがあるほか、感情や自律神経にも深く関わっているとされ、特にストレスによる影響を他の臓器より受けやすいので、肝の働きが低下すると自律神経を司る機能が低下してしまうと考えられています。
そのため作用が穏やかな漢方を用いることで、肝の働きをよくし、自律神経失調症や
ストレス性疾患などの改善にも役に立ちます。