《第62号》21世紀の新しい「いのち学」とは?帯津良一博士の近著2冊を紹介

2009 関根進いのちの手帖

僕の主治医で、ホリスティック医学(全体医学)の権威である
帯津良一医師は、とても文才のある方で、この出版不況というのに、毎月のように、
21世紀の新しい医学を求めつつ、興味深い本を刊行しています。

[ultimate_carousel slides_on_desk=”1″ slides_on_tabs=”1″ slides_on_mob=”1″ arrow_style=”square-bg” arrow_bg_color=”#3083c9″ arrow_color=”#ffffff” dots=”off” adaptive_height=”on” item_space=”0″]
[/ultimate_carousel]

東大出の敏腕の外科医でありながら、いまの「機械修理にも似た医学」では患者は救 えないとして、身・魂・心の人間丸ごとでみる医学研究に邁進されていることは、
ご存知の方が多いと思います。
その帯津医師から必読の近著2冊が届きましたので紹介したいと思います。
養生という生き方」 と 「帯津良一のホメオパシー療法」という本です。

まず、「養生という生き方」という本は、帯津医師の
「人は150億年の虚空からやって来て、生老病死をしっかりと生ききり、
また虚空に帰る旅人だ。だから、その旅情を大切にして、
いのちのエネルギーの場を高めながら生きていく――
これが養生です」という自説を、余すところなく書き尽くした
“攻めの養生法”の集大成の本です。

帯津医師の「攻めの養生法・7訓」は、この本の冒頭の
「21世紀の医学とは」という項目で紹介されていますが、以下です。

1. 勤運動(運動にいそしむ)
2. 練気功(気功を練習する)
3. 節飲食(食事を節する)
4. 暢情志(心をのびやかにする)
5. 慎起居(正しい日常生活)
6. 適環境(環境に適する)
7. 補薬物(薬で補う)

帯血医師は導引吐納=気功の達人であり
各所に中国の健康・養生の故事や漢詩、 とくに老子や荘子の文章からの
教訓が引用されますので、とても勉強になります。

「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず
万物は陰を負いて陽を抱き、冲気を以って和を為す」(老子)
これは、「道生一、一生二、二生三、三生萬物。萬物負陰而抱陽。冲氣以爲和」――
生命の根源が分かれて陰陽の「二」となり、調和して
「三」となって、万物が流れる――といった
老子をはじめとする中国哲学の一元論を物語る有名な箇所です。
また、北宋時代の詩人で書家、画人であった蘇東坡の有名な漢詩も
「私の愛唱詩」としてあげておられます。
自らが励行する「調和道丹田呼吸法」との関連で、蘇東坡が書いた日記を披露。
「毛竅(けあな)八万四千より、雲霧のごとく蒸散して、
諸病は除かれてしまう」という箇所は、
帯津医師が敬愛している白隠禅師の「夜船閑話」にも
共通している――として、その東洋思想の因縁の深さ、
帯津医師の養生奥義に触れているのは、とても面白い話です。

 

もう一冊、おススメの近著は「帯津良一のホメオパシー療法」です。
患者のこころの治癒を重視する帯津医師は、西洋医学のほかに
東洋医学、代替療法と幅広く治療の選択肢を組みわせるだけでなく、
最近では、西洋に古くから伝わる
“癒しの医学”=ホメオパシー医学の研究と実践にも邁進しています。
その理論と実践について、患者にも分かりやすく書かれた労作がこの本です。
ちなみに、「ホメオパシー」とはいわば「西洋の漢方」とも呼ばれる
身体のみならず、精神性、霊性のエネルギーを高める治療法です。
「ホメオパシー(Homeopathy)」は同種療法と訳されます。
Homeo=同種、Pathos=病気または苦痛、という意味があります。
メスや劇薬で病原を叩き潰す、いまの西洋医学(異種療法=アロパシー)
から見れば 対極にある「逆発想」の二つの法則から成り立っているのです。

1. 同種の法則=「ある症状を起こす同じ物質を、体に投与することによってその症状を取り去ることができる」という原理。
2. 超微量の法則=「ある症状を起こす同じ物質を非常に薄めて投与すると効果が増す」という原理。

――というわけで、漢方では大量の生薬を投与しますので、
実際は漢方とは大分医、違います。

ホメオパシーでは鉱物・植物・動物などをつぶし、
あるかないか分からないくらいに希釈して(薄めて)振とうし、
小さな砂糖玉に染み込ませた薬(レメディ)を処方します。

ちょっと一般には馴染み難い療法ですが、ホメオパシーの世界的権威で
ギリシャ在住のジョージ・ヴィソルカスさんとの人間的ふれあいに触れて、
考え方を簡明に表明しておられます。
≪「われわれはホメオパス(療法師)である前に医師なのだ」 だから、
目の前で苦しんでいる患者をホメオパシーで全部解決しようとしなくてもいい。
うまくいかなければ中国医学でも、西洋医学でも使う――
つまり統合医学的な考え方があったことで、そうしたことに加え、
ヴィソルカスという人やその考え方に触れたことが、
ますます私にホメオパシーに対する自信をつけさせてくれたと思います≫と。

さらに≪ホメオパシーは怒り、憂い、悲しみなど心の状態を
基本にして組み立てられた“ナラティヴ(物語性)”の医学≫だとして、
≪死の不安を和らげ、苦痛を軽減する「緩和ケア」にすごくいい≫とする箇所が、
多くの患者さんにとっては、興味津々のポイントとなるはずです。
詳しくは、本書を熟読してください。

タイトルとURLをコピーしました