暦で季節を表す言葉として「二十四節気」を用いられいます。
その第一番目は「立春」です。
「立」には「始まる」という意味があり、
「立春」は春の幕開けを告げ、万物が蘇る春がやって来ることを示しています。
中国では立春は「打春」、または「咬春」とも呼ばれています。
「咬春」は昔の人にとって一種の食養生でもあり、
「立春」を迎えると、長い冬が明け、少しずつ暖かくなってくるので、
大根やニラなどを食べると、体内の「陽気」を盛んにし、
養生(保護)することができます。
中華料理の餃子やニラレバ炒めなどでよくみかけ、特徴的な香りと鮮やかな緑が料理を引き立てるニラは、実は多くの栄養素を含んでおり、体にうれしいさまざまな健康や美容効果が期待できる食材です。
今日は、がん細胞の増殖を抑制し、転移や再発を防ぐ、肝臓の保護にもニラについてご紹介します。
春に収穫するニラは「起陽草」と呼ばれています。
春ニラは、葉は柔らかく、根と茎に大量の栄養素を蓄えているので、
味も香りも一番良く、作用もより強いです。
また、ニラにはまた、水分が多く、カロリーが低いほか、
がん予防効果のあるビタミンA、C、E(エース)、
ベタカロチン、鉄分、カリウム、カルシウムなどが豊富に含まれているため、
消化促進、食欲増進、消炎、発汗、解熱に効果があると言われています。
中医学では、ニラは、
食欲増進
消化を良くする健胃消食
血の滞りを緩和し、血流を良くする
殺菌、抗炎症
美肌効果
滋養強壮
の働きがあります。
また、春は肝臓を養う季節であることから、
ニラは温補肝腎、助陽固精、
肝臓の機能を良くし、腎の働きを強め、
腰膝のだるさや頻尿、遺精、早漏、性欲減退、生理不順などの症状を改善し、
滋養強壮、疲労回復の働きがああります。
民間では「補腎暖膝腰(腎機能を高め、老化現象を緩和する)」の効果がある
という言い伝えもあります。
現代栄養学では、
ニラに含まれる揮発性イオウ化合物が、
血液循環、食欲促進、血脂の低下、脳の活性化に効果があるほか
疲労回復、老化防止にも効果があるとされ、
高血圧、冠動脈疾患、高脂血症などにも一定の作用があると言われています。
なお、
ニラには多くの食物繊維も含まれているので、
腸内の老廃物や毒素を包み込み、排出する働きがあることから、
中医学の古典『滇南本草』には、ニラについて、
「滑潤腸胃中積、或食金、銀、銅器于腹内、吃之立下」という記載があり、
腸内環境を整えて、消化を良くするほか、
有害性重金属鉛、銀、銅などの異物さえも排出する効果があるとされています。
そのため、ニラは「洗腸草」とも呼ばれています。
ニラは腸内の悪玉菌を減らすだけでなく、胃のピロリ菌にも抗菌作用
近年の研究では、ニラには抗変異作用があり、
がん細胞の増殖を抑制し、転移や再発を防ぐ効果があることが分かっています。
また、揮発性酵素はマクロファージを活性化し、
免疫力を高める効果も期待できます。
ニラは独特の香りと味を持つため、好き嫌いが分かれる食材でもあり、
調理方法によって香りや食感をが大きく変わるので、
炒め物、鍋物、和え物など、さまざまな料理に活用してみてください。